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活動報告

2020.11.01

アーカイブ「オンラインいけばなコンクール U18」(2020年10月開催)

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「オンラインいけばなコンクールU18」に応募いただいた全85作品を厳正に審査した結果、入賞者13名を以下のとおり決定しました。
受賞した方々おめでとうございます。
コロナ禍のなか、また急な告知で初めての開催にも関わらず、どの部門にも日ごろの活動の成果を存分に発揮したたくさんの力作が揃い事務局も驚くほどでした。
審査員の先生方も初めてのオンラインの審査でしたが応募者のコメントも参考にしてお送りくださった写真をじっくり評価いただくことができました。
参加者の皆さん、保護者や指導者の先生方、審査員の先生方、全ての関係者の皆さん、大変ありがとうございました。

※なお、2020年に予定していた「いけばな大賞2020」は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため中止いたしました。

 

◆小学生の部 金賞 高橋海咲さん

オクラを見てほしいです。オクラを目立たせるために、ダリアを低めにいけてバランを巻きました。

 

◆小学生の部 銀賞 内田有哉さん

鬼滅の刃の無限列車をテーマにグロリオサを煉獄杏寿郎・ガーベラを主役の炭次郎や仲間としてハラン電車に見立てて作りました・ハランを上や下にくるくる巻いて巻いたところに花を挿して固定しました、剣山をしようしていないので花を固定するのが難しかったです。

 

◆小学生の部 銅賞 寺田舞花さん

大きなモンステラを堂々としているようにいけ、大輪のガーベラも華やかにいけました。

 

 

中学生の部 金賞 若松花音さん

ストレチアのオレンジ色が映えるように位置や角度を工夫しました。また、トクサの所々による動きの違いを見て楽しんでいただけらと思います。全体的に花材の色が緑色が多いのでストレチアの鮮やかな色とのバランスが上手くとることができたと思います。和の繊細な美しさを表現しました。

 

◆中学生の部 銀賞 栗又千優さん

変形的なお花器に、紅葉を使って野山をイメージし、吾亦紅や笹りんどうで秋の風情を出すように生けました。それは難しく、なかなかうまく生けることができませんでしたが、試行錯誤を繰り返し、最後には納得のいく作品を仕上げることができました。生けあげたあとには、達成感が得られ、とても勉強になりました。コロナウイルスの影響でオンラインという形になりましたが、今年もコンクールに参加できてうれしいです。

 

◆中学生の部 銅賞 松畠則子さん

葉っぱをカープさせてボリュームをつけたところを工夫しました。

 

◆高校生以上の部 金賞 米倉怜さん

「ピッタリと揃った足」を見て頂きたいです。
練習を始めたころは、足が全く揃わず、腰から上も上手く捌くことができませんでした。「ため返しをしっかりしよう」というアドバイスをいただき、それをもとに練習してみると、キレイに揃えることが出来ました。学業との兼ね合いもあり、短い練習期間しか取れませんでした。しかし、お生花でのコンクール挑戦という憧れに向けて頑張りました。
お生花に関する知識、技術ともに、ほぼゼロの状態からのスタートだったので、正直無謀な挑戦かと思いました。それでも僕の決断を後押しし、指導してくださった先生には感謝しかありません。

 

◆高校生以上の部 銀賞 安部日花里さん

蓮の葉は色の違う葉を使い分けました。
蓮の葉は個々に動きがあり、また放射線状に延びる葉脈が乾燥させたものによる独特の動きと力強さを感じさせるものとなりました。紐鶏頭は自然に垂れ下がる美しさやポコポコとした形が、蓮の葉を引き立てられるように試行錯誤を繰り返しながら生けました。
自然の中に溢れる動きを見ていただきたいです。

 

◆高校生以上の部 銀賞 大塚理央さん

私が生け花をはじめてから、10年という月日が経ちました。その間、小学校、中学校、高校と、勉学や部活動の日々から一度心を落ち着かせ、花に触れる時間が私の息抜きでした。高校生となってからは、特に自分の成長、表現力の向上を感じられ、更に楽しみながら、生け花と向かうことが出来るようになりました。これまでの10年間の集大成であり、これからの私の生け花人生の新たな始まりとして、この生け花コンクールに挑戦しようと心を決めました。メインの花材をさんごみずきと鶏頭にし、全体のイメージが赤く印象に残るようにしました。花器は、花材の赤色が際立つような暗くしっかりした色を使用し、この花器の四角いイメージを活かし、さんごみずきを自由自在に生けました。赤色との対比として、補色である緑色のカンガルーポーの茎でさんごみずきと同じような形を作り、生けました。また、緑色に染めたかすみ草や、カンガルーポーの黄色の花を散りばめ、華やかさをプラスしています。普段の私は、思い切りが悪いため、悩んでばかりでなかなか手を動かすことが出来ませんでした。しかし、今回は新たな挑戦として、いつもより大胆に生けること、生けることを楽しむことの2点を意識してのぞみました。また、特に細かい所まで注意を払ったのは、さんごみずきです。様々な形や大きさの三角形を作り出し、空間を活かしつつ、複雑さがでるように頑張りました。さんごみずきを複雑に絡めれば絡めるほど、バランスが不安定になってしまうので、ハラハラする場面もありましたが、とても楽しく生けることができたと思います。花材から、自分で一から一人で考えたことがはじめてだったので、とても不安でしたが、自分らしい、自分の考えた作品を満足出来るものに仕上げることが出来て、とても達成感に満ち溢れています。

 

◆高校生以上の部 銅賞 内田芹さん

コンクールに応募したきっかけは、先生からのお声掛けでした。私自身デザイン系の大学に進みたいと思っているので、スキルを磨くためにもチャレンジしてみたいと思ったからです。
この作品のコンセプトは「善と悪」です。
花器と花材の色に統一感をもたせ、善と悪の対峙を、コントラストさせながらも、全体的にはまとまりのある作品に仕上げました。ラナンキュラスの優しい色合い、やわらかな花の表情が善と悪を少し融和させているようにも考え生けました。
17歳の今、何事も自分で考え行動し、物事の良し悪しも自ら判断していかなければならないのだと感じています。
そんな自分の中での心の変化をこの作品に閉じ込めました。

 

◆高校生以上の部 銅賞 長谷川たまきさん

鉄のオブジェと花材の良さを生かしました。

 

◆高校生以上の部 銅賞 櫻井杏夏さん

くちなしを鉄瓶の口立てるのに楔を作って入れました。ガーベラは、奥行きが出るように重ね、周りにHBチースを入れることによって色彩を際立たせました。くちなしの実で秋っぽさを出し、ガーベラなどを入れ、和と洋の協調性を考えこの作品に込めました。いつもは自然調の生け花をしているのでこのような独創的な作品を作るのはとても難しかったし、悩むところもありました、しかしその経験がとても楽しかったので色々な生け方をしてみたいと思いました。

 

◆高校生以上の部 銅賞 岡璃瑠さん

”海を渡るサンタクロース“をテーマに、北欧から日本の子供たちにプレゼントを運ぶサンタクロースを表現してみました。
クリスマスフラワーと呼ばれるポインセチアをサンタクロース、松の古木をトナカイ、花器をソリ、プレゼントをもらって喜ぶ日本の子供たちを木瓜の花に見立てています。
コロナ禍で暗いニュースが流れる日々の中で、クリスマスイブの夜だけは夢と笑顔で溢れますようにという願いを込めています。

 

 

◇審査員紹介 (50音順)
・磯村 信夫
(株式会社大田花き 代表執行役)
・柴崎 秀應
(帝国華道院副理事長、池坊宝生流家元)
・田中 一秀
(帝国華道院理事長、松葉流古流家元)
・武藤 理春
(帝国華道院副理事長、古流わかば会家元)

 

◇審査員から
・総評(田中審査員)
審査にあたっては作品とコメントの両方を考慮して採点しました。コメントにより作品の理解が深められよかったです。全体に自己のテーマをしっかりと表現していて、いけばなに対する熱意が感ぜられました。

・小学生の部(柴﨑審査員)
それぞれ一生懸命に考えて、作品に向き合い表現していると思います。やわらかい感性をいつまでも大切にして、これからも花とふれあって楽しんでいただきたいと思います。

・中学生の部(磯村審査員)
守破離であれば、中学生は「破」に行きたがる年代。それで良い。作品にはいずれも明るさと健康なすこやかさがあり、花の美しさを引き出しながら、自分の思いが表現されていて気持ちが良い。

・高校生以上の部(武藤審査員)
力強く、明るく且つ上昇感のある作品が多数あり、嬉しく思いました。オンラインと云う初めての試みですが、上手に写真を構成し更なる芸術性を高め改めて新しい方向性が生まれたのでは。閉塞した今こそ植物からのエネルギーをもらい大いに活躍して下さい。

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